年末、Googleサーチコンソールから、DMCA に基づく Google 検索からの削除のお知らせがやってきた。
一から自分で書いた記事である。著作権侵害は身に覚えが一切ない。そのため異議申し立てを行い、通った模様なので記録しておく。しばらくの間ちょっと胃が痛かった。
下にも書くが、雑に集めてカジュアルにDMCA通報したらしい。なので、こちらもさっさと異議申し立てをすれば良い。胃を痛める必要はない。同じように雑に通報された人には「さっさと異議申し立てしろ」と言うだけである。私に書けることは全部書いた。そのため、相談されても困る。
「同じ申立人に申し立てられたと思う人が、虚偽申し立てについて損害賠償請求のクラスアクションを行うのを前提にした相談」以外は断る。
なお、お問い合わせフォームに、先方からの連絡はこれまでの間何もなかった。なくていいんだろう。
サーチコンソール名義のメールが来た
DMCA侵害の通知は、サーチコンソール名義である。サーチコンソールに登録していないサイトの場合(ないわけではない)、わからないということだろう。
Google で受け取った通知の内容は、個人を特定する情報を削除した上で、法的申し立て通知を集めた第三者サイト Lumen の 次の URL に掲載される可能性があります。
https://lumendatabase.org/ (以下具体的なアドレスがあった)
具体的にどのページかも書かれている。
Lumenで申立て内容を具体的に確認する
上のLumenに、具体的に記録があった。同じ日に同じ申立人が行ったものが全部載っているようだ。
申立人の具体的な主張もここに書かれている。
海外の企業が日本語記事に対して、英語で申し立てていた。私のページは違法動画を広めていると言うものだ。合わせて300ドメイン以上が申し立てられていた。
この、申し立てられたページは、海外の企業がYouTubeにアップした動画を埋め込みリンクで貼っていたページだった。なお、動画を集めた記事ではない。テキストメインだ。
いやいや、それ、あんたがYouTubeにアップした、オリジナルですやん…ちゃんとオリジナルなのを確認して、埋め込んだよ。個人の契約するサーバーにアップされた写真を引っ張ってきたわけではない。埋め込みされたくなかったら、埋め込み拒否したらええやん…
ちなみに、申立て人が「オリジナル」として主張した動画のリンクは、YouTubeではなかった。
ノーティステイクダウン
DMCAはノーティステイクダウン、つまり、主張されたらプラットフォーム側はノールックでDMCA侵害として処理する。
今回も、私がその記事に違法動画をアップしているという主張がそのまま通っている。
DMCA異議申請を行う
申立人が日本語が分かりそうにないことから、英語で主張することにした。三本建てである。
- このページはオリジナルテキストによるものであり、そもそも申立人には著作権がない
- もしも埋め込みリンクしている動画を問題にしているならば、この動画は申立人の公式チャンネルからのものだと認識している。YouTubeでは埋め込みリンクを許可しないことも可能だ。もしも外部サイトで表示させたくないならば、申立人はそのように操作することができる
- 仮にこの埋め込みリンクしている動画が違法にアップロードされたものであれば、申立人はこのチャンネルを違法チャンネルとしてYouTubeに申し立てるべきであり、相手が違う
ChatGPTで体裁を整えた
私は英語を書くことができるが、法律文書としてふさわしい文体であると自信を持って言うことはできない。それは恥ずべきことではない。日本語ネイティブでも、法学部出でも、日本語の法律文書を書ける人は少ない。
そのため、ChatGPTを使って、校正しろ・文体はリーガル、と命じた。
1000字しか使えないので相当削る羽目になり、再度自分で校正した。だが、うまいこと使えるものだと感心した。
これまでは、英語の法律文書を書くためには英語圏の弁護士(友達にいる)にお金を払って頼んでいた。その分節約できた。
法律文書なのでかなりきつい表現になるが、向こうが先制パンチをしてきたのだから、構わないだろう。
異議申し立てをする場合には、私の個人情報も開示しなければならないし、先方が法的措置を講じる可能性があります、と書かれているのであまり良い気はしなかった。
Googleからの返信
英語で申し立てたので、英語で返ってきた。定型文だろう。
We have received your counter notice. We’ll forward it to the user who requested removal of your content. If we don’t receive proof that they have filed a legal action against you within 10 business days, we’ll reinstate the material in question. A legal action may be a lawsuit against you or a claim with a qualified alternative dispute resolution provider that names the URL(s) at issue and seeks a court order to restrain your alleged infringement.
要旨は、「先方が10営業日以内に法的措置を講じたことを証明しない場合は、回復します」である。
10日以上経ってから回復した
営業日のカウントが、日本のカレンダーではなかった模様だ。その後、再びGoogleから返信が来た。
Pursuant to your counter notice, we have reinstated the following URLs:
あなたの異議申し立てにより以下のURLを回復します。この一行だ。
Lumenでは消えていた。
Lumenにて、もう少し詳しく見てみる
Lumenでは、英語圏の有名サイトも著作権侵害したと申し立てられていた。著作権侵害サイトとして、ドメインが表示されているだけだ。
私は当事者にさせられたし、有名サイトのどのページが申し立てられているのかを確認したかったので、Lumenでメールアドレスを登録して、見てみた。有名サイトの申し立てられたページは、どうもその動画とは一切関係のないページだ。URLに一単語入っているだけだ。私のページにも、その単語が入っている。おそらく先方の雇った人(もしくはクローラー)が大変雑なのだろう。
虚偽というよりも、雑だと思う。
そして、Lumenで24時間開示されたページの中に私のサイトのページもまだ残っていた。反映されていないだけなのかはわからない。
現在のLumenのページと比較してみると、約300ページ申し立てて、約100ページがすでに現在のLumenのページからは外れている。その有名サイトはまだ残っているが。気にしないのかもしれない。
雑に集めてカジュアルにDMCA申し立てをしたのだろう。そして申し立てられた側もカジュアルに異議申し立てをするのだろう。
そういうものなのだなと思った。胃を痛めるようなものではない。
ただ、こういう雑な申立人の主張がずっと通り続けるだろうか。そこはわからない。雑すぎるので「虚偽」と言われても仕方がないのではないかねえ、と私は思う。
今後
今後おそらく何もないだろうと思う。何かあればこの記事に追記する予定だ。
もしも何かあったら、裁判所マターだ(裁判管轄権はどこだろうね)。もしも裁判になれば、虚偽申立人への損害賠償請求を行うが、具体的な損害は弁護士費用になってしまう。
当該ページは少なくともしばらくの間は置いておく。
参考にしたのは以下の記事だ。辻さんさまさま。
https://www.businesslawyers.jp/articles/319
https://higashimachi.jp/column/2800/